第二章 モーセとイエスを中心とする復帰摂理

アモス書三章7節に、「主なる神は、そのしもべである預言者にその隠れた事を示さないでは、何事をもなされない」と記録されているみ言のように、聖書には、神の救いの摂理に関する数多くの秘密が隠されているのである。しかし、人間は神の摂理に対する原理を知らなかったので、聖書を見ても、その隠れた意味を悟ることができなかった。聖書においては、一人の預言者の生涯に関する記録を取ってみても、その内実は、単純にその人の歴史というだけにとどまるものではなく、その預言者の生涯を通して、堕落人間が歩まなければならない道を表示してくださっているのである。ここでは特に、神が、ヤコブとモーセを立てて復帰摂理路程を歩ませ、それをもって、将来、イエスが来られて、人類救済のために歩まねばならない摂理を、どのようなかたちで表示してくださったかということについて調べてみることにする。